2021/10/30-2021/10/31

僕は野球がしてみたい

昔から興味もなく、してみようとも思わなかったもの。そう、野球。生まれてからこれまで野球中継は画角も変わることなく、おじさんがおじさんにボールを投げている、打ったボールは見えるときも見えないときある。そんな感じの印象。選手の耳の上にでも小型カメラでも設置して臨場感でも演出してくれたらいいのにな。とか興味はないくせに意見だけはあったりする。そんな野球をきちんとしたことがなかったので、多くの人々が熱狂するものを一度くらいは体験しておきたいな。と、ある日、思い立ち元野球部に相談。

招集

あれよあれよと人を集めてくれてこの土曜日に無事野球を楽しむことに成功。ある元野球部員はキャッチャーマスクなどキャッチャー用品一式、バット複数本、軟式ボール数十級を軽トラに積んで来てくれて、もう一人の元野球部員は数十人の人を集めてくれた。感謝。感謝。二人とも広島の野球名門校出身だけあって頼りになる。ありがたい。ありがたい。しかもこの日のために初心者にバッティングセンターでバッティングコーチまでしてくれた。足を向けて寝れませんな。

野球や!野球やで!

朝7時半に迎えに来てもらって、メンバーを数人拾って安佐北区へ。県道を折れて、長閑な田舎町を数キロ進むと着いた。野球場。ちゃんとした野球場と多目的グラウンドとしていろんなスポーツができそうなグラウンドが一つ。今回は多目的グラウンドで野球。何もないと思われたグラウンドを少し掘ったらホームベースが出てきた。そのホームベースを軸に運動会でしか見たことがない石灰いれて線を引く手押し車でラインを引く。こういう一つ一つの準備も面白い。あと、またグラウンドに埋まってたベースの蓋みたいなものを取って、ファーストベース、セカンドベース、サードベースを埋め込む。へぇ、こんな風になってるんですねぇ。と思う。準備が整ったくらいに参加者がほぼ集合。

中年とは怪我を恐れるもの

野球名門校二人の指導に基づきまずはランニング。「これ、やっとかないと怪我しますんで、ちゃんと走ってくださいね」とのことで、ちゃんと走る。若者はそれなりに走っていたけど、中年はみな一生懸命走っているのが印象的。中年は「月曜の仕事に影響が出ないように」こういうことを考えてしまうのであろう。その次にノック。今回、野球経験者が半分、ズブの素人が半分という構成で「楽しんでやろう」をコンセプトにしてたので、丁度良いバランス。ノックは野球名門校の子がやってくれたけど、「いやぁ、ボールってそんな狙ったとこに綺麗に打てるんですね」というくらいに「いきますよ」って言われた場所にボールがくる。ゴロもフライも。いやぁ、すげぇな。僕は内野のノックに参加していたのだが、外野のノックからは良い感じの珍プレーの空気が流れていた。これは面白くなるぞ。と思った。

第1試合開始

打ちごろの球をほおるナイスピッチャー

その後、事前にチーム分けしてた表に従って第1試合開始。双方ピッチャー、キャッチャーは経験者で尚且つ緩い球のみを投げる攻撃側が接待を受ける感じ。みんなパカパカ打てていい感じ。僕も接待投球をいただきパカンと打たせていただいた。1試合目はワンサイドゲームかと思いきや、最終回我がチームは外野が4人いたのだが、唯一ポジション名がない僕のライトとセンターの真ん中あたりにヒット性の当たりが2本、多分頑張れば捕れそうなフライが2本、計4本飛んできて漏れなくボールを掴むことが出来ず逆転負けというなんとも野球っぽい、いや今年の新庄高校を彷彿とさせるような甲子園っぽい負け方を喫し個人的には満足だったものの、チームメイトからは「何やってんだ」と叱責を喰らう負け方を喫した。

第2試合開始

意外と野球の体を為す

昼食を挟んで2試合目はメンバーが少し減ったものの最低9人はいる形で試合。2試合目はメンバーの選考ミスがあり、我がチームにピッチャーはいるもののキャッチャー不在。しょうがないのでピッチャーの野球経験者がキャッチャーをやり、素人集団が一回毎に交代でピッチャーをやってみた。ピッチャーマウンドの前の方に立ち投球してみるものの人が近くにいると投げにくい。そしてボールも微妙に届いたり届かなかったりする。これを毎日前略で120球くらい投げる甲子園の投手ってすごいな。と思った。2試合目は相手方のワンサイドゲームで進んでいき、1試合目同様「これは逆転があるぞ」と最終回に臨んだが、あっとういう間に2アウトを取られた。うーむ。困った。と思い、丁度最後のバッターとなりそうだった僕は「ドラマが欲しいよね。ドラマ」と大きな声で叫んでバッターボックスに入り、オール接待。接待JAPANが始まった。まずは僕のサードライナーをサードが華麗に交わす。ヒット。次の打者の凡フライもレフトが上手に落球。次の打者は普通にヒット。これで接待満塁の出来上がり。5点差だったので、ここから点が詰めれれば…!という接待モード満点の中、次のバッターがまさかの三振。相手チームの「バットに当ててもらわないと接待できません。」の言葉を最後にゲームセット。なかなか面白い展開であった。15時過ぎに試合を終え、片づけ。元野球部のトンボの掛けてる姿を見てると青春ってこんな感じだな。とかどうでもいいことを考えていた。

そして風呂へ

片づけを終えて、みんな三々五々帰路に着くのだが、中年のスポーツはここで終わらない。風呂だ。この風呂のために汗をかいているといっても過言ではない。近くのスーパー銭湯へ向かう。週末の夕方ということ、コロナ禍での営業であることが災いし、着替えを入れるロッカーが全くないほどに風呂は人で溢れていた。なんとかロッカーのカギを確保し、入浴料900円が750円になるというので、会員登録までを行い入浴。風呂にひとしきり浸かり、サウナに向かうと老人寄りの中年の常連のおっさんたちでキュウキュウのサウナでほどほどの声量でどうでもいい会話を繰り広げていた。喋るな。と書いてあるけど無視。敷いてあるタオルの位置をズラすな。と書いてあるのに無視してタオルの位置を変えるなど、傍若無人の振舞であった。自分が中年になって初めてわかることだけれども、人は容姿は変わっても中身はそんなに変わらない。小学生の意識が延長されてる感じだ。だから、この老人寄りの中年たちも人を困らせようと思ってしているわけではなく、気のおけない常連が揃って楽しくなってこんなことをしているのだと思うと、不快ではありながらも一定の理解はできるな。と思った。あとは老人寄りの中年たちがコロナを持ってないことを祈るばかりだ。しかも会話の内容からこの老人寄りの中年たちは社会的にはほどほどの地位についている感じがした。地位や環境が人を創るというものの、一皮向けば人間の本質なんて皆、一緒。ということを思っているのだが、その推論を補強する意味でも良い体験であった。本来人は人に説教できるほど立派なもんではない。欠点を補いあえるから人は支えあえるものだと思う。それを地位をかさにきて命令し、意見に対して真摯に取り合わず、失敗しても謝らない。そんな奴らに地位なんか与えるんじゃない。と思うもののそんな奴らもその地位に着くまでは真面目に献身的に研鑽をつんできたのだと思うとなんだかな。と思う。日本では認められていないけれども与えられた地位にふんぞり返らない能力というのも出世の一基準に組み込むべきだな。とか真面目なことを考えていると、サウナの中で10分くらい過ごしており、ただでさえ水分の少ない中年の身体から水分が必要以上に抜けていた。水風呂で身体を締めたあと、風呂から上がりフルーツ牛乳を飲む。美味い。

帰宅

風呂から上がった段階で筋肉痛がひょっこり顔を出していたのだが、帰宅後数時間で筋肉痛がガンガン前面に押し出てきた。日曜は筋肉痛祭りという感じで起き上がるのも「ぐぁあ」と言いながらでないと起き上がれない感じであった。日曜は近くのうどん屋が年に1回の半額キャンペーンをしているというので筋肉痛の身体をおして赴いてみたら、半額キャンペーンは次の日の月曜からだということが判明し、絶望。絶望しててもしょうがないので、正規料金でうどんをすすって帰った。